盈德の文学の香りに酔いしれる

学者の文と道理を今も大切にする村

過去、この村は現在の田畑が殆んどないほど、家屋が立ち並んでいたと言う。
日本帝国時代と韓国戦争を経験し、地域の精神文化を抹殺しようとした侵略者らが、真っ先に無くそうとしたのが、この伝統村だったという事実を我々はあまりにも遅く気づいたのではないか。

北は遠くの太白山脈から分かれてきた七宝山(810メートル)と騰雲山(786メートル)に囲まれ、南は広々とした野原が広がっていて、村が形成されるにちょうどいい所に
安東に劣らないほど礼儀を尊び、風習が厳しいことから「小さい安東」と呼ばれた、蒼水面最大規模の名門の偉容を誇る、仁良1・2・3里がある。
村に入ると、500年の歴史ある村の氏神であるケヤキが迎えてくれる。
巨大な原木は焼失し、今は新たに伸びた枝が茂っているが、これだけでも意義深いとし、1996年に保護樹に指定された。
里長が直接運転するトラクターに乗って仁良里に入る。
農村の伝統が今も残るナラゴルポリマル体験学校の広い庭を経て、仁良2里に向かう。
これから500余年前、文禄の役が起こる前、中宗の時代に形成されたこの村は、野原を横切って松川が流れる優れた地勢を持っている。
村の裏側は仁良大山に囲まれているが、騰雲山(786メートル)から分かれた山脈から伸びて出来た山で、
鶴が翼を広げたような形をしていることから、山里の村である仁良里をナレゴル、または翼洞とも呼んだ。
五つの氏性、八の宗家が根を下ろして代々住んできた所で、多くの人材が輩出され、
今も村の子孫が学界や政界など、各界をリードする人材として活躍している。



500年以上たっている大小の古めかしい家屋は、長い歳月の間、波風を受けながら補修・増築された多くの建築物が文化財として指定されて保存されている。
特に伝統テーマ村と情報化村に選ばれ、伝統と現代が共存する村として定着しつつある。
寧海府誌によると、仁良里は八つの氏性の氏族が居住している所で、昔から風習が素朴で人情深く、礼儀と謙譲があり
親孝行で学識のある学者が多く官職につく人物が跡を絶たないため、府内で最高の村と言われた。
光海7年(1615年)に郡内ではじめて鄕約を制定、肅宗3年(1677年)と1927年にその規約を時代にふさわしく直したものが、今に伝えられている。

仁良里 八風亭伝説 -八妖怪物語

仁良里の入り口にある八風亭は、仁良里村を守る守護神だが、この大きなケヤキの木にまつわる伝説は世にも奇妙でおもしろい。
昔、仁良里には八鈴神という八人の妖怪が住んでいたそうだ。
この妖怪たちが一度ずつ鈴を鳴らすと、必ず村人が一人ずつ何の理由もなく死んだと云う。
特に新たに赴任してきた府使は、必ず原因不明の死に方をしたので、この村には誰も赴任しようとしなかった。
そんな中、易東 禹倬先生が寧海府使として赴任して来た。
易東先生は易を知り、天機を司り妖怪たちと勝負に出た。
強力なお札-麦の青汁で妖怪たちを退治し、七人の妖怪を海に落して始末し、
残りの妖怪一人に観漁台を守らせて、そこで祭祀を奉らせたため、その後仁良里には平和が訪れた。
その時から仁良里には、妖怪を封じ込める麦を植えるようになったという。
以前、蒼水面 仁良里の平野は、麦の穂が波打つ慶北最大の麦の生産地でもあった。

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